お母さん方の中に、よく「子供のこういうところが悩みで」とおっしゃる方が多いのですが、「子供が問題なのか、それを悩みとするお母さんのほうに問題があるのか、どちらでしょう」と逆に問い掛けさせていただいています。 さまざまな角度から、私たち人間の意識改革を提唱されている春名芙蓉先生は、講演会などで、「お母さん自身が意識のもち方を変えたら、子育ての問題はすぐに解決しますよ」と語っています。つまり、親が子供に対する見方を変えれば、問題は消えてしまうということです。 春名芙蓉先生は、例えば「子供がやんちゃで困るんです」というお母さんには、「やんちゃじゃなくて、元気でありがたいですねえ」と答えています。「勉強ができないんです」というお母さんには、「育てられる子供がいるというだけのも、ありがたいですよ」と答えています。「こんな子供になって欲しいのですが、なかなか」という方には、「本当に子供のことを思うなら、子供が何を願っているかを知ってあげたほうがいいですよ」と答えています。 そこから、何かはっとする方が多い中、「それは、わかっているんですけれど」という方もあります。そういう方を拝見していると、わかろうとしておられない場合が多いように見受けます。つまり、その方は自分の考えに固執してしまっていて、自分自身を改めようという気がないのです。「自分は間違っていない」と思いすぎていることが、かえって自分を苦しめ、子供も苦しめていることが、見えておられないと言ったら言い過ぎでしょうか。そんな親の自己主張が子供を苦しめ、その結果、さらに親が悩まないといけない子供を作り上げているように感じます。 春名芙蓉先生は、さらに語ります。「親がエネルギー不足なのですよ。はつらつと遊んでいる子供のほうが親よりもエネルギーが多いのに、親の自我で押しつぶされて、子供のエネルギーがすり減らされていますよ」と。 また、こんな言葉もあります。「人のせいにしていたら、百年たっても何も変わらない。人が変わるの待っていたら、自分の人生が終わってしまう。だから、自分から先に変わって、自分の人生を変えていく。自分が変わることによって、相手も変わるし、自分の人生も変わるということです。」 これは、名言だと思います。 子育てを含め、ほとんどの人間関係の問題は、相手に変わってほしいと望むより、自分自身を変えることに目を向けたときに、糸口が開けてきます。要するに、「自己の意識改革」です。私たち一人一人が、そこに心を向けたとき、社会全体が、大きく変わるのではないでしょうか。 春名芙蓉先生は、その人生を通じて体験した「より良い生き方」を、多くの方に伝えたいと願って、講演会や出版活動をしています。そこで語られる言葉の中には、限りなく人を愛する心が込められています。そしてまた、全ての人たちにあてはまる、普遍的な摂理も包含されています。彼女の思いを知り、学ぶことによって、みなさんの人生がより高く飛翔されることを願っています。 正しい子育ては、母親自身の正しい自己管理だともいえます。子供の、そのときそのときの気持ちを正しく理解してあげるには、まず、お母さんの心にゆとりがないといけないでしょう。 |