No.43
「若いころから、自問自答の毎日でした」
平成19年6月8日

 みなさん、こんにちは。春名芙蓉です。
 私の住む岡山でも、ほとんど田植えが終わりました。太陽や空や山々が、一面に張られた水に映って、美しく輝いています。日本の田園風景というのは、長い年月、大自然と人々が調和しながら作り上げてきたすばらしい景色ですね。

 この「春名芙蓉のひとこと」のページを通じて、私の今日までの人生や、意識のあり方をお話ししてきましたが、多くの方から反響をいただきまして、ありがとうございます。
 前回は、「どうしたらマイナスの意識をプラスに切り替えることができるか」についてふれましたが、今回は私の体験をもう少しお話ししたいと思います。
 今までにも申し上げてきましたように、私は若い頃から心臓が悪く、「いつまで生きられるか」という気持ちでいましたから、「今日も元気で生きている」という感謝が常にありました。でも反面、気が小さいために起こってしまう心配や不安なども、いっぱいありました。ですから、感謝と反省の毎日だったといえます。

まだ起こっていない先のことを心配してしまう自分。
何かにとらわれて、がんじがらめになってしまう自分。
人から誤解されて、悔しく思ってしまう自分。

 そんな自分の心を見つめ、反省が深まってくると、「なぜ、そんな思い方をしてしまうのだろう」ということを自己分析し、「知りたい、求めたい」という気持ちも深まってきました。人にたずねるというより、目に見えない自然に向かって問いかけていました。心の中で問いかけていると、「それは、こうだよ」と、その答えが心の中に流れ込んできました。「先を心配するのも、何かにとらわれるのも、悔しく思うのも、結局は『自分がかわいい』からなんだ」とか、「苦しい思いをしたくないという、自分主体の思いが原因なんだ」というふうに。

 「先を心配して苦しむのなら、心配しない自分でありたい」と願い、「どうしたら、先を心配しない気持ちになれるのだろう」と求めると、「先を心配するより、今まで守られてきたことを知ることだ」と思えてきました。そして、「そうだ、命のなかった私が、生きているのがありえないことなんだ。そこをもっと感謝しよう」と、また感謝に戻ることがしばしばありました。
 悩んだり、苦しんだりする意識がぐるぐる回るのではなくて、そこから、何か次の答えを教えられて、心の扉が開かれて、感謝の意識に戻ることができたんですね。
 若いころ、子育てのころ、そのような自問自答が、ずっと続きました。それは、今になっても続いています。
 ただ若い頃は、自分を見つめ、そこから感謝と反省を積み重ねることが、「意識の次元を高めていく」ことにつながるとは全く自覚していませんでした。「自分の心を変えるだけでもどれほど大変なことか」ということは気づいていましたから、周囲の人を見て悪く思ったり、批判したりするどころか、批判の対象は自分自身で、自分の心のマイナスを消すのに懸命でした。

 でも、そんな反省と感謝を積み上げているうちに、あるとき私は、はっとしたのです。今まであったマイナスが、意識の中からすっかり消えてしまっていたのです。以前なら、こんな時、こんな風に思ってしまう私だったのに、全く気にならないでいる。
 何も苦にならず、何に対しても心が動かない。気がついたら、そんな自分に変身していたのです。驚きました。心が動かなくなったんですから、本当にうれしかったですね。
 そして、「自分が努力したから、心が動かなくなったのではないなあ」と思ったんです。「私を高めようとしてくださるエネルギーが、大自然から流されている」と感じました。「自分が自分を高めるのではないんだ。大自然のエネルギーによって高められるんだ」ということに気づいたとき、とめどなく喜びの涙があふれてきました。それが、私にとっての大きな心の脱皮につながりました。

 今振り返れば、体が弱かったことで、私を生かそうとする目に見えない力の存在を強く感じるようになれたと思います。そして、「感謝することが、精神をも大きく育てるエネルギーを呼び寄せる」という確信へと誘っていただけたんだと思います。
 人の魂を成長させようとする大きな自然の力を知ったとき、その喜びは、自分個人の喜びにとどまらず、無数の命といっしょになって喜んでいるような、目に見えない自然に向ける感謝の心に変わっていきました。
 私の心の歩みは、自分の心の中にあるマイナスを知るところから始まりました。わかればわかるほど、「こんな自分を生かしてくださっている」ことへの感謝の気持ちが高まり、その感謝の意識を積み上げているうちに、マイナスがどんどん消えていったのです。

 「地球の子守詩」の本の中にも、私の人生のさまざまな体験が紹介されています。多くの方々がこの本をお読みいただいて、「心の苦しみが消えた」とおっしゃっていただくのは、私自身の苦しみを浄化してくださった大自然のエネルギーが、本を通じて伝わるからだと思います。

 私には、「自分が努力して、マイナスの意識を消すことができた」とは思えません。「どんなことが起こっても苦しく感じない、そんなエネルギーを自然から授かった」と思っています。そのエネルギーが私の体内に、いや、意識内に積み上げてられています。
 ですから、私の心の中に積み上げられたそんなエネルギーを、みなさんにお伝えしたいと願っています。
 少しでも多くの方に触れて、苦しさが消え、「心が元気になるエネルギー」を流したいと願っているのです。
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