だんだん、歳も押し迫って、2007年も間近になりました。振り返ってみると、今年も本当にありがたい一年でした。この一年、私の心の中に「ありがたいなあ」、「幸せだなあ」という気持ちが、どれほど積み重なったでしょう。喜び、感謝というものが積み上がって、どれほどの分量のエネルギーになったでしょう。「すごい分量になるだろうな」と思っています。
今までは、私自身の心の状態を見て、エネルギーの大きさを計る物差しとしてきましたが、ここまでの境地に上げていただくと、自分の心の状態だけを物差しにすることはできなくなりました。「私の周囲の人たちに、どれほどのエネルギーが流れているか」ということを物差しにするようになりました。そういう感覚で私の周りの人たちを見てみると、「この一年で、たくさんの方たちが高い境地に上げていただいたなあ」と思います。「ああ、私が積み上げさせていただいたエネルギーが、これほどに伝わっているんだなあ」と、しみじみありがたく思えてきます。みなさんも、きっと心のエネルギーがずいぶんと積み上がってこられたのではないでしょうか。
私は、みなさんに、「心の目標」を持って生きていただきたいと思います。「今日一日、こんな気持ちで生きよう」と、毎日、心の目標を持つのです。何か一つからでも心の目標を持ち、そうなりたいと願う意識を毎日積み上げていくのです。たとえ一日、わずか一歩の前進でも、十年たてば、三千六百歩の前進になります。いや、進めば進むほど加速度が増すでしょうから、すごい成長ができると思いますよ。
「どんなことを目標とするか」は、みなさんそれぞれが決められたらいいと思います。でも、一つのテーマとして、「平常心」ということをお話ししましょう。「平常心」、つまり「常に変わらない心」ということですね。
誰もが、毎日の暮らしの中で、喜びや感謝の意識だけで生きることができればいいのですが、なかなかそうはいきません。なぜ、そうはいかないかといえば、いろんな雑念がいっぱいわいてきて、喜びが持続できないからですね。もし、みなさんが、「1日、24時間、自分は何を意識しているだろう」ということを、しっかり見つめることができたら、「私は、どれほど目の前のことにとらわれて、心を動かしていたんだろう」と驚かれるでしょう。
たとえば、年の瀬になると、それほど忙しくなくても、あわただしい気持ちになってしまいます。誰でも、目の前のこと、世の中の動きに合わせて、心を右往左往させがちなものです。周囲の人たちの意識に振り回されるだけではなくて、「忙しい、忙しい」などと、自分勝手に作った意識にも振り回されてしまっています。
そんな環境の中で、みなさんが「常に変わらない心」を保つことができたら、それは、すごい心の成長になると思うんです。私は、年末であっても、お正月であっても、特別に意識を変えないようにしています。もちろん、おせち料理をつくったり、大掃除をしたりもしますが、気持ちはいつもと同じなんですね。地上では、何月何日、何時何分という時間があり、年末や年始といった切り替えがあります。でも、意識の世界には、そういったものはありません。特に、高い次元の世界では、ただただ喜びがあふれているだけなんですね。私は、いつもそんな世界に意識を置かせていただくようになってから、時間感覚もなく、世の中の出来事に心が振り回されずに生きられるようになりました。
みなさんも、目の前のことにとらわれず、心を奪われることもなく、常に穏やかで喜びがあふれる気持ちを持ち続けられたら、どれほど楽かわかりませんね。
「どうしたら、そうなれるか」は、毎日の積み重ねです。「そうなろう」とこころざし、毎日を積み上げていこうとすることが、「自分を高める」ということです。そして、それがまた、人間としてこの世に生まれてきた大きな目的でもあります。
「来年は、常に変わらない心、常に穏やかで喜びがあふれる気持ちなりたい」と、決意してみませんか? いや、来年と言わず、今からすぐにでも始められますね。
喜び、感謝の意識をどれほど積み上げられるか、私とみなさんと競争してみましょう。
そんな競争なら、自然もきっと応援してくれますよ。