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No.33
「心の元気」
平成18年2月7日

 みなさん、こんにちは。春名芙蓉です。まだしばらく寒い日が続きますでしょうが、だんだん日差しも長くなって、春が近づいてくるのを感じますね。

 私は、先日74歳の誕生日を迎ましたが、ますます元気でがんばっております。この「元気」というのは、体のことだけではなくて、心もそうなんですね。心が元気なんです。どういうふうに心が元気かといいますと、毎日、感謝の気持、幸せな気持ちが溢れているんです。どんなことに対しても、「ありがたい」と思えるのです。言葉で「ありがたいなあ」と言っていなくても、自分の心の中には、常に「ありがたい」という気持ちが波のように押し寄せてくるというか、溢れてくるんです。私の心の中に、幸せな気持が泉のように湧いてくると言ったらいいんでしょうか。

 今日までの人生、いつも今のような幸せな気持でおれたわけではありませんが、「喜びを忘れてはいけない」と、いつも自戒するものはありました。「病弱だった私が、こうして生かされている。その感謝を忘れてはいけない」と常に思ってきました。何か悪いこと、苦しいことがあっても、無意識のうちに喜びに変えようと努力していました。そんな習慣、プラスに切り替えようとする気持、ありのままの今を感謝しようとする意識が、今日までに、何層にも何層にも積み重なって、私の周りを取り囲んで守ってくれているように思います。ですから、何か困ったことが押し寄せてきても、「困ったなあ」と思うよりも先に、私の周りを取り囲んでくれている幸せな気持ちというものが、「なんとかなる」という安心に切り替えてくれるんですね。

 私はいろんな人たちを見ていると、それぞれの人たちの、層のように積み重なって意識が、その人の性格を作り出していると思います。苦しい意識の層が厚い人は、その苦しい気持ちが顔にあらわれていますし、「がんばらなければいけない」と思い続けてきた人は、その意識が体から漂い出ています。
世の中にはいろんな意識の世界があるでしょうが、安らぎの意識が一番大切だと思います。安らぐということは、心が解放され、ものにとらわれず、安心と喜びが広がる、そういう意識のことですね。私はそんな安らぎの世界を自分の中にもっと作りたい、そして、そこへみなさんを入れてあげたいと願っています。それが自分の生きがいであり、喜びでもあります。

 自分の意識の持ち方一つで、いかようにも周囲を変えることができますからね。「人を幸せな気持ちに変えてあげたい」、「そういう思い方をしたら危ないよ、こういうふうに思えばいいんだよと言って支えてあげたい」、そんな思いも、私の人生で厚い層になって積み上げられてきました。自分を幸せにし、人をもその世界に入れてあげるには、結局、「ありがたい」という感謝の層を厚くすることにかかっています。「意識の層を厚くする」ということは、毎日毎日、その意識を積み重ねるということです。最初は、ありがたいと思いにくいかもしれませんが、それが積み重なっていけば、層が厚くなってきて、思いやすくなってくるんですね。そして、感謝の層が厚くなると、それが自分を守ってくれます。何事もいいように、いいように、受け止められるようになります。そうなれたら、今度は自分だけではなく、周囲の人のマイナスもプラスに変えられるエネルギーに変わってくるんですね。

 人を助けてあげるためには、自分自身のプラスの意識の層が厚くなることが、絶対に必要です。目の前に苦しみや不安を持っている人がいて、「何とかしてあげたい」と思ったとします。その人の代わりになって、簡単にしてあげられることならいいですが、たとえば心の問題になると、その人の苦しみをなくしてあげるのは非常に難しいことです。よほどのエネルギーを流してあげないと心の苦しみを癒してあげるのは難しいでしょう。
 たとえば、子供が不安そうにしているとき、その不安を消してあげることができるか、できないかは、親の意識のあり方にかかっています。悩む意識の強い親では、自分もいっしょになって苦しんでしまい、子供を浮かび上がらせてあげることはできません。以前私は、子供が何かのことで苦しんでいるとき、「親の自分が心配してはいけない。自分がもっともっと大きな喜びで、感謝で、そして愛をもって子供を包み込んであげないといけない」と強く思ったことがありました。「大丈夫だよ、もっと意識を変えてこちらを向いたら楽になるよ」と声をかけながら、相手の心を大丈夫と思えるように変えるエネルギーというものは、自分自身の感謝の層の厚みによるものなんだなあと思いました。

 みなさんも、毎日、些細なことからでも、幸せを感じる意識の層を厚くしてゆきませんか?