春名芙蓉の「心が元気になるメッセージ」 VOL.3

 春名芙蓉は、「意識を変えることで、人生をもっと有意義に変えてゆくことができる」というテーマで、多くの方々にメッセージを発信し続けてきました。

 彼女は、「人間は、自分勝手に悩んだり、苦しんだりしているものです。意識を変えるだけで、いくらでも道は広がると思いますよ」と言っています。そして、「心を元気にさせ、意識を高めるためには、もっと喜び、感謝しましょう。感謝の気持ちが心のエネルギーの原点だということを、多くの方に伝えたい」と願っています。

 そんな春名芙蓉のメッセージは、「地球の子守詩」という本にまとめられています。その一部をご紹介します。



全ての人の心を無条件に照らす太陽になりなさい

 みなさん、こんにちは。春名芙蓉です。
 みなさんは、イソップ童話の「北風と太陽」の話をご存知ですか。
 旅人のコートを脱がそうと、北風と太陽が競争をして、いくら北風が強く吹いても旅人はコートを脱ごうとしなかったのに、太陽がぽかぽかと照らすだけで、旅人は自分からコートを脱いだ。そんなお話です。

 私は、若い頃から、人と言い争いをしたり、自分の意見を押し通そうとしたりするのが嫌でした。心臓が弱かったので、言い合う声を聞くだけでも、動悸が打ったんです。だから、人とは争わず、自分から引いて、何事も穏やかに通り過ごしてきたんです。それは、要領良く生きるというのではなくて、結局、自然に適った生き方だったと思います。

 人間は誰でも、無意識のうちに、自分を守ろうとして、自分の立場からばかり意見を主張しますね。そんな意識が、分厚い「自我のコート」であり、「心のよろい」でもあります。
 でも、自分を守ろうとする意識があるために、それが心に重くのしかかり、かえって自分を苦しめている事に気づいていません。
 私は、「周りの人たちを、そんな心の重さから解放してあげたいな」と願ってきました。それができるのは、太陽のような心だと思います。

 太陽は、無理やりにコートを脱がそうとせずに、全てに分け隔てなく照るだけで、人々を温めてくれるでしょう。
 人は、温かい心で照らしてあげたら重い心が消えてゆくんですね。
だから、「自分の心をいつも太陽の当たる明るいところに置いて、自分もまた太陽のようになりたい」というのが、私の人生でした。
 そして、みなさんにも、「全ての人の心を無条件に照らす太陽になりなさい」と、お願いしたいのです。



未来のあなたは今からのあなたの意識で作られるのです

 人生には苦しく、大変な時期があります。でも、それはつかの間のことで、苦しいことも貴重な体験だと思います。ただ、その真っただ中にいるときは、「つかの間だ」とは思えないでしょう。

 しかし、「大変だ」とか、「なぜ私だけが」とか、「いつになったら楽になれるだろうか」という意識を持っていたら、いつまでたってもそこから抜けられません。それよりも、「本当はもっと大変だったかもしれないのに、これくらいのことで済んでありがたいんだ」と、感謝のほうに意識を向けたらどうでしょう。
 みなさんよりも、もっと苦労の多い人生を送っておられる方も必ずいます。だから、そんな人達と比べて、自分の状態を最高に喜べるように、思い方を変えたらどうでしょう。住む家があり、自分も家族も元気だ。もし何か一つでも欠けたらどれほど苦しいだろうか。だから、何一つ欠けていない今をもっと喜ぼう。そんな感謝の意識を持ったなら、もっと楽になりますよ。

 今日一日をどう生きるか、どんな意識を積み重ねるかがとても大切です。いい意識を持って、毎日を積み重ねることが、実り多い未来を育む土壌を作ることになります。逆に、マイナスの意識をもったまま暮らしていると、それが心の中に溜まっていきます。溜まりすぎると病気にもなります。そうなっても、誰のせいにすることもできません。愚痴に思う心は、結局、自分に返ってくるだけです。
 だから、いい意識を積み上げるために、「今日もありがたかった」、「今日も無事でよかった」という心に切り替えてくださいね。
 私も苦しい道中がありましたが、今では、「こんな結構な暮らしをさせていただいてもったいないな」と思うほどの毎日です。

 何年か、何十年かたって、「本当にすばらしい人生だった」と思えるように、今日一日を大切に生きてください。人生を通しての勝利は、目先のことに右往左往するのではなく、日々積み上げられる、みなさんの意識にかかっています。



意識の中の悪いことはさっさと消して真っ白な心で進みましょう

 人間は、たとえ小さなことでも、気にしだすと、気になることが他にもいくつも集まってきます。
 何かを気にしだすと、不思議なもので、だんだん心が重たくなって、苦しいことばかりを意識してしまうようになります。

 意識をマイナスからプラスに上げていくのは大変なことですね。
 坂の上からボールを転がすと、引力でどこまでも落ちていきます。
 逆に、坂の下からボールを蹴っても、なかなか上に上がりません。
 いったん降りてしまうとなかなか上がりにくいから、降りないようにする意識を保つことが大切なんだ、と思います。
 私は、「小さなことに、くよくよしないで、全てを消して白紙でいきましょう」というのを合言葉にしています。
 「マイナスは消す」が、合言葉なんです。
 消さないと、磁石のようにいろんなものがくっついてきて、ますます重くなります。意識が下がってしまったら、ますます上がれなくなります。下るよりも上がるほうが、何倍もエネルギーが必要なんですね。

 誰でも、「考えたくないのに考えてしまう」のが常なんですが、どうしてもそうなった時は、意識を切り替えて、いいことを考えてください。
探したら、いくらでもいいことがあります。そして、私の作ったカップでお茶でも飲んで、意識を切り替えてください。

 要するに、意識の問題です。
 自分で勝手に、悪い意識の世界を作ってしまうことは、非常に怖いです。そこには悪い意識ばかりが集まっているから、何を思っても悪く思えてしまいます。「なかなか消えない」というのは、自分でマイナスのことを追いかけて、「消そう」という意識がないからなんですね。
「消そうと思っても、なかなか消えない」と言う人に、私が「消しなさい」と言いますと、消えるんですよ。
 このメッセージを思い出して、「そうだ、消していくんだ」と思ってくださいね。
そうしたら、きっと消えますよ。



自分が変われば相手も変わる

 みなさんの周りに、嫌な人がいたとします。
 「なぜそんな言い方をするんだろう、私は嫌われているんだろうか」と気になったり、悩んだりして、どうしてもその人を意識してしまうことがありますね。
 そんなときは「嫌な人だなあ」と思わずに、「その人は、いろんなマイナスの意識を抱えているんだ。そんな気持ちが表れているのであって、自分に向けて悪感情があるのではないんだ」と思ってください。

 人は、それぞれに、いろいろ人生の問題を抱えています。
 誰にも言えない苦しみもありますね。
 だから、そんな気持ちを理解して、心の中に何があるかをわかってあげてください。具体的に何があるかはわからなくても、「人それぞれにいろんな苦しみや事情がある」ということを知って、どんな人とも温かく触れ合ってください。それが、太陽のようになることです。

 自分の目の前の様子だけを見て、「嫌な人だ」と思ってはいけません。自分に向ってきている目の前の事柄だけで、相手を責めたり、自分を責めたりしないでもいいですよ。
 まず、「その人を気にする意識」を消してください。
 自分のそばに来ても、避けようとしないで、大らかな気持ち、豊かな気持ちをもって、接してあげてください。そして、何を言われても立ち向かわないで、まずは受け取ってあげることです。
 そんな風に自分を変えてゆくと、必ず、相手も変わってゆきます。

 相手に変わってほしいと願うだけでは、百年たっても、人は変わりません。それよりも、自分が変わるほうが、ずっと早いです。
 親子、夫婦、会社などの人間関係だけでなく、国と国との関係も同じです。
 相手の気持ちを理解できる心の器が、自分を幸せにしてくれるのですね。



原点に感謝する

 感謝が大切だといっても、欲しいものが手に入ったとか、物事がうまくいったという感謝ではなくて、やはり「生かされている喜び」という、根本的な感謝がいるのではないでしょうか。
 元気な方は、そういう根や幹の感謝を忘れて、枝や葉のことを喜んでおられると思います。基本的な感謝を忘れているんですよ。

 私たちは、自然からエネルギーを与えられて生かされています。
 血液や筋肉、神経にいたるまで何もかもが操作されて、今生きています。自分の体であっても自分では何もできなくて、大きな自然からコントロールしていただいています。
 それなのに、いろいろな目先の事柄には感謝できても、そんな自然の愛に感謝している人はほとんどいないですね。

 私は、今日までの人生で、そこから感謝してきました。
 私たちは、自然から、「もっともっと、生かされていることを喜びながら、毎日を暮らしなさい」と教えられていると思うんです。
 自然は、いろいろ道具を与えて、根や幹のところから感謝できる意識を、私たちの心の中に養ってくれようとしているんじゃないでしょうか。木に例えて言えばそういうことなんですね。

 人間というのは、喜べばいいのに、喜べない、心の活性がない。
 さんさんと照り輝く太陽に当たっているのに、しおれていくほうにばかり意識が向いている。自分も赤いかもしれないのに隣の赤い花を羨ましがったり、ないものねだりをしたりしている。それが人間の習性だと思います。
 そういう「ないものねだり」をするのではなくて、今すでに与えられているものにもっと感謝の目を向けたら、生きていく上でもっと魂が活性していくと思います。
 私たちは、多くのものを与えられているんだから、もっと生き生きと、美しく輝かないといけません。だから、「もっともっと、しっかり感謝してください」と、私は言いたいのです。



感謝の意識も積み重ね

 雪は、降っても、最初は地面にふれるとすぐに融けて、消えてしまいます。泥と混じって、汚らしくなってしまうこともあります。でも、しんしんと空から舞い降りる雪は、さらにその上に降り積り、最後には、すべてを真っ白に染め上げてしまいます。

 喜ぶ意識、感謝の意識というものも、そういうものなんですね。
 積み重ならない間は、すぐに消えてしまうものなんです。
 人間の意識は、すごくマイナスが多いですから、なかなかいい意識が積もりにくいものです。少しいい意識が積もっても、すぐに消えてしまいます。

 だから、「丹念に喜ぶ意識を積み上げる」ことが、本当に大切だと思います。
 今日、「嬉しいな、ありがたいな」と思えても、人のことを聞いたり、何かにとらわれたりすると消えてしまいます。人から嫌なものを受けると、あっという間に意識が下がってしまいます。
 いくら喜んでいても、一瞬のうちに消えてしまうほど、喜びというものは、持続しないんですね。

 積み重ねる難しさは、私も体験してきました。
 自分が幸せな気持ちであっても、周囲の人の機嫌が悪ければ、「暗い顔をしてどうしたんだろう」と気になって、幸せな気持ちが消えてしまいます。

 だから、気になることは、絶対に消してくださいね。
 そして、人生で何かにつまずいたら、「それくらいのことで喜びが消えない精神を養っていきなさい」と、自然から教えていただいたと思ってください。
 私は、今では、どんなことがあってもありがたいと思っています。「ありがたい」という意識が重なって、今日があるのです。



死ぬということは

 身近な人が亡くなるということは、本当に悲しいことですね。
 でも、誰もがいずれ、あの世へ帰ってゆかないといけません。
 私は、あの世とは思わないで、「出てきた元の所」と思っています。「この世へ、いろいろな体験をし、学ぶために降ろしていただいているんだ。だから、死ぬというのではなくて、帰るということなんだ」と思っています。

 私も、大切な人との別れの時は、「これほど辛いことがこの世にあるんだろうか」と思いました。母のときもそうですし、父や姉のときもそうでした。でも、いつまでも自分の身を切るほど苦しんでいても、亡くなった方を救うことはできません。
 例えば、闘病生活を続けた方が亡くなるということは、病気の苦しみから離れて楽になられるということです。だから、そのことを喜んであげたほうがいいんではないか。悲しみにくれるよりも、もっと心安らかに見守ってあげるほうがいいんじゃないか。そう思います。

 魂というものは死なないで、永久に生き続けます。
 死ぬと肉体がなくなるんですから、体の痛みは消えます。
 「あの世に帰られた方は楽になって、安らいでおられる」と思います。
 ですから、亡くなった方が本当に安らかになれるような、残された私たちの意識のあり方が大事ですね。

 人間はこの世で行をしているんですね。亡くなるということは、そんな人生の行を終えて、魂の世界に帰還されたということです。
 私は、自分があの世に帰ったとき、子供たちがメソメソと悲しんでいる姿を見れば、かえって辛いと思います。残された方たちが何年も悲しみ続けると、亡くなった方の魂はかえって浮かばれないと思います。

 亡くなった方が本当に浮かばれるかどうかは、残された者の気持ちにかかっているのではないでしょうか。



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